古典輪読会(Corin会)ブログ

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【第14回Corin会】シェイクスピア「ハムレット」

【第14回Corin会】

<日時>:2011年11月27日(日曜)@稲葉自宅
<課題図書>:
【メイン】
シェイクスピアハムレット」(岩波文庫

ハムレット (岩波文庫)

ハムレット (岩波文庫)

【副】
シェイクスピア「夏の夜の夢・あらし」(新潮文庫

夏の夜の夢・あらし (新潮文庫)

夏の夜の夢・あらし (新潮文庫)


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ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare、1564〜1616年)をやりたいという声は多いので、やはりやりましょう。

シェイクスピアの中で、何を課題図書にするか考えましたが、さくりばくんの提案の通り、メインに重いやつ、サブに軽いやつということにして、できれば両方、時間なければどちらかを読んで来ようということにしました。


メインは重めなので岩波文庫で格式ある感じで。
サブは軽めなので新潮文庫で読みやすい感じで。


シェイクスピアの本は、出版社だと新潮文庫岩波文庫がメインですが、そのほかにも角川文庫、海外文学で有名な白水社(白水Uブックス)、新訳が続々刊行中の光文社古典新訳文庫とか、いろいろありますね。

光文社古典新訳文庫からは、「ハムレットQ1」、「リア王」、「マクベス」、「ウィリアム ス・シーザー」、「ヴェニスの商人」、「十二夜」が出てますね。

光文社の「ハムレットQ1」を見て、「Q1」ってなんだろうと調べていたのですが、どうやらハムレットには三つの異なる印刷原本があって、二つの四折版(quatro)をQ1とQ2、もう一つの二折版(folio)をF1と呼ぶものがあるみたいですね。

「Q1」(1603年、約2150行)は、短縮版を役者の記憶に基づいて再現した海賊版とされているが、現在ではQ2の原型と考えられている。
「Q2」(1604年 - 1605年、約3700行)は、草稿版で、正規の完全な原稿版で、海賊版に対抗して出版されたらしい。
「F1」(1623年、Q2の230行を削り、80行追加)は、演出台本版で、劇団保管の演出台本として、Q2を参考にして制作されたらしい。

ということみたいです。新潮文庫福田恒存訳は「Q2」で、角川文庫の河合祥一郎訳は「F1」、光文社古典新訳文庫の•安西徹雄訳は「Q1」(タイトルの中に入ってるくらいで)みたいですね。(岩波文庫版はどのバージョンなのか調べてわからなかったですが。)


だいたいのハムレットは、原型とされていた「Q1」(そうはいっても正規ではない海賊版だから)ではなく、「Q2」「F1」版、もしくはその組み合わせのようなバージョンが多いみたいですね。実はハムレットは一冊ではなくて何種類もあるっていうのは面白いです。



シェイクスピアには、四大悲劇とされる「ハムレット(Hamlet、1600年)」、「マクベス(Macbeth、1606年)」、「オセロー(Othello、1604年)」、「リア王(King Lear、1605年)」の他にも、「ロミオとジュリエット(Romeo and Juliet、1595年)」、「ジュリアス・シーザー(Julius Caesar、1599年)」、「じゃじゃ馬ならし(Taming of the Shrew、1593年)」、「夏の夜の夢(A Midsummer Night's Dream、1595年」、「ヴェニスの商人(The Merchant of Venice、1596年)」、「お気に召すまま(As You Like It、1599年)」、「十二夜(Twelfth Night, or What You Will、1601年)」、「テンペスト(The Tempest、1611年)」、「ソネット集(The Sonnets)」・・・・有名な本はいっぱいありますよね。
これを機会に、読んだことがある本の感想も教えてください。